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Zapfino

Creative Member

こんにちはデザイン部のYです。
本日は、フォントにまつわる話を書きたいと思います。


アップル社は、スティーブ・ジョブスのポリシーによって、
美しいフォントを選んでOSに搭載するということを続けていますが、
そのフォントの中に、Zapfino(ツァプフィーノ)という書体があります。

元々はライノタイプ社のヘルマン・ツァップさんが設計したスクリプト体で、
化粧品のパッケージや結婚式のグリーティングカードなどでよく使われている、優雅なフォントです。

これをライセンスしたいとアップル社からの申し出があったときに
どうせなら、このタイミングで字形を修正したいと、ヘルマン・ツァップさんからのライノタイプ社へ提案があったそうです。

ここでライノタイプ社でタイプディレクターをしていた小林章さんの登場です。
Zapfinoを洗練させるべく、ツァップさんと共に小林さんが改良版を制作するプロジェクトが始まり、1年ほどかかって、今のMac OSにZapfinoが搭載されることになりました。

パソコンを買った時点で、何十種類ものフォントが最初からOSにインストールされていて、
今ではたくさんの人が美しいフォントを自由に使うことができますが、
何げなく選ばれるフォントの裏には、ツァップさんや小林さんの仕事があり、スティーブ・ジョブスのポリシーがあります。

だからこそ、何げなく街の中で使われていても、分かる人が見たら面白く見えたりするんです。

小林章さんの著書『フォントのふしぎ』の中に、好きな一節があるのですが、それをご紹介して締めたいと思います。

「スイスの建築家と話していて、建築家は自分のつくったものに偶然出くわすことはないけど、フォントのデザイナーにはそれがあるんですよ。買い物先や旅先で自分のフォントに思いがけず出会うのが、私の密かな楽しみです。

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