「デザイン学科」の受験勉強とは
suffix_dpo DESIGNチーム
こんちには、デザインチームの TKです。
新学期、入学シーズンになりました。厳しい受験を乗り越えた新入生たちにとっては、人生の中でも一番胸が踊る季節かもしれません。
私事ですが、自分が大学に入学したのがちょうど10年前でした。時の流れは早いものです...。
今日は、いわゆる一般の高校や大学の受験勉強をされてきた方にとっては全く馴染みがないことと思われます「美術大学の受験」をテーマにしてみたいと思います。
美術大学の受験はなんとなくイメージされる通り、大体の学科で絵を描かされます。数学や小論文だけで入れる学科もありますが、基本的には専攻する学科の内容に沿った試験問題が出題され、制限時間内に作品を作ってその出来映えが評価されるというものです。もちろん絵だけではなく国立でも私立でも学科試験があり、「実技の点数+学科の点数の合計」で最終的に合否が判定されます。絵と勉強のセットなので予備校の試験対策は少し独特だったりします。例えば、絵はあんまりだけど勉強は結構できるという人は、学科試験で点数を取って、実技の方はどんな問題を出されても無難な点数が取れるような作品を作れるように対策します。逆に、勉強があまり得意ではないけれど作品に自信があるという人は、勉強はそこそこにしてあらゆるパターンの作品をひたすら作りまくって作品で高得点を目指すというような対策をしたりします。(僕は浪人生だったので後者でした...作品の方が配点も高かったので)
デザイン学科の受験では国立、私立問わずデッサンと色彩(絵の具を使う作品)がほぼマストで出題されます。
大学や学科によってはこれに立体作品や小論文などがついてくることもありますが。なので、僕も予備校に通っていた2年ほどの間はとにかくひたすらデッサンと色彩ばかりやっていました。画材屋で絵の具を全種類買ってみたり、予備校から帰ったら次の日に備えてひたすら鉛筆を削ったりと、今思えば狂気じみた毎日でした...。 (デッサンの試験時間は結構短く鉛筆を削ってる暇がないので、皆とがらせた鉛筆を大量にストックしています)
予備校の時に描いていた作品をちょっと載せてみます。
あと赤本のような、作品の過去問と優秀解答例の本があったりします。受験生はこれに載るのが憧れでした。
東京藝大などの国立大学はこの他にも課題があったり、センター試験でもある程度点数を取らないといけないようです。
特に藝大は他の美大と比べて倍率がとても高い(当時デザイン科で 20倍くらいでした)上に出題内容も解釈が難しくほぼ宝くじみたいなものだと言われており、技術を持っていてもはまらなくて多浪する方も結構おられます...。
在学時に講義で聞いた話によりますと、日本の大学生の中で美大生の割合は 0.数 %程度しかいないとのことらしく、さらに最近は美大の受験生も年々減少しているようで、いずれ天然記念物扱いされないか心配です...。今後、美術人口が増えることを願っています。