最後の一個
Bpo Member BPOチーム
こんにちは
アルバイトのAです。
この缶詰の開け方、ご存知ですか?
上部にピンが付いています。
このピンをツメの部分に差し込んで・・
巻いて巻いて・・
空きます。
これは「野崎のコンビーフ」なんですが、枕缶(HPで調べました)と呼ばれるものだそうです。
2年くらい前だったでしょうか、、この開け方の缶詰の製造が終了するというのをニュースで知り「何だって!?」と慌てて2個ほど購入しました。
そして、賞味期限が近づいてきたので、1個開けて久しぶりに食べました。
懐かしい味です。
開けたの、食べたの、何年ぶりだろう。。。
コンビーフは祖父が好きで、よく食べていました。
祖父が食べていると「ちょうだい」と言って一口もらっていましたね。
祖父がコンビーフの缶を開けているのを横で見ていて、眺めていたり、巻くところをやらせてもらったり・・・
ときどき、祖父が昼食に、コンビーフを使ったチャーハンを作ってくれました。
美味しかったです。
でも、作り方を聞いていないので再現できません。残念です。
みじん切りの玉ねぎが入っていたような・・・気はします。
作り方聞いておけばよかった・・
祖父に聞きたかったこと、たくさんあります。
祖父は大正の一桁の生まれ。
関東大震災も徴兵されて戦争も経験しています。
関東大震災の時のこと、話してくれたことがありました。
その頃はまだ子供で「ふぅ~ん、そうだったんだぁ」ぐらいな感じで聞いていました。
戦争に行っていたことも聞いていましたが「何処へ」とか詳しくは知りませんでした。
大人になって、なんとなく聞いておかなければいけない、と思い一度改まって聞いてみたことがありました。
あまり思い出したくないことを思い出させてしまったかもしれませんが、ぽつんぽつんと話してくれました。
「じいちゃんには青春はなかったなぁ」と、寂しそうに言っていました。
当時はその言葉の深い意味をきちんと理解できていなかったように思います。
今は、聞いた当時よりは心で受け止められるようにはなっているかな、と思います。
聞きたかったこと、たくさんあります。
世の中の人が知っている史実で祖父が体験した話以外にも、日々の生活のこととかも。
祖母は早くに亡くなってしまって、祖母とはそんな話をする時間はなかったけど、祖母からもいろいろな話が聞きたかったなぁ。
もし、祖父母がご健在なら、一度いろいろ聞いてみてください。
私たちの知らない世界の話が、きっとたくさんあると思います。
残りあと一個。
賞味期限が切れる前にもう一回祖父を思い出しながら、クルクル開けます。