クールベと海
Creative Member DESIGNチーム
デザイン部のYです。
企画展『クールベと海』
ギュスターヴ・クールベは19世紀のフランスで活躍した画家で、
自らの目で見た「あるがまま」の現実の姿を絵に描きとめた、写実主義の画家です。
本展は下記の構成になっておりました。
クールベ以前の海
クールベの海
クールベと同時代の海
クールベと自然・動物
海を描いた作品ばかりよく集めたなぁという企画展で、
美術館側のこだわりが感じられました。
撮影は禁止、音声ガイドはありませんでした。
クールベ以前の時代の海は、
18世紀以降、聖書や神話などの物語や比喩と結びつけられたり、
大海原や海戦の背景を崇高なものとして描かれたりしていました。
その後、イギリスでは「ピクチャレスク」なる美意識が生まれ、
今でいう、"SNSで映える風景"を探し求める「ピクチャレスク・ツアー」流行します。
当時、映える観光地を紹介するガイドブックが出版され、
そこで紹介されていたフランスのノルマンディーの海が、クールベら画家を惹きつける土台となったそうです。
クールベの描いた海は、まだまだ伝統的な歴史画や風俗画が良しとされていた時代に、
見たままの海の情景を好んで描き、当時の人々から賛辞を得ます。
クールベの作品は結構荒々しいタッチもあったりする油絵で、
描いているのは、ノルマンディーの海ですが、
荒々しさは冬の日本海のような波にも通ずるように思えました。
ミレーの代表作『種をまく人』
山梨県立美術館は、ミレーの代表作『種をまく人』を所蔵しており、
他の美術館に借し出していなければ、常設展で観ることができます。
ミュージアムショップにも『種をまく人』のシルエットが。
『種をまく人』は岩波書店のロゴマークになっていたり、
世界的に有名な作品ですが、実際かなり良かったです!
ここ山梨県立美術館には約70点ほどのミレー作品があり、
すべて公開されているわけではないですが、常設展だけでもボリュームがあり楽しめます。
農民の姿を描く画風が、山梨の風土とマッチしているというのも分かり、
良いコンセプトの美術館だと思いました。